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2008年10月19日 (日)

バイリンガル教育について考えた

英語と映画が好きで、字幕翻訳家になった私。でも字幕翻訳は、英語がしゃべれなくてもできます。私が思うに一番大切なのは「映画への愛、日本語力、好奇心」でしょうか。戸田奈津子さんが通訳もされているため、一般的には「字幕翻訳家は英語がぺらぺら」というイメージがありますけどねhappy02

今、長女はベネッセの「こどもちゃれんじ」をやっていますが、英語教材の宣伝もたくさん入ってきます。うーん、確かに子供には英語を自在に操れる国際人になってほしい、と思うので興味は引かれますが、まだひらがなも全部読めない子供に英語って?というのが正直なところ。

小学校で英語を教える、ということについて、いろいろと議論がなされています。群馬県には、すべて英語で授業をする学校もあるらしい。子供が大きくなるにつれて、教育問題が現実のものになってくるのを実感します。まわりは確かにお稽古に通う子が増えているような気がするしpencil

今回もたくさん本を読み漁りました。その中で、参考になった本を紹介します。

まずは「英語の早期教育に警鐘を鳴らす」タイプの本。親の都合で渡米し、苦労する子供たちの姿が描かれているものが多い。いきなり現地校に入れられ、様々な壁を乗り越えなくてはならないのは大人ではなく子供。英語圏への赴任が決まり「これでうちの子供もバイリンガル!」とウキウキしている場合ではないわけです。

英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)Book英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)

著者:市川 力
販売元:中央公論新社
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異文化に暮らす子どもたち―ことばと心をはぐくむBook異文化に暮らす子どもたち―ことばと心をはぐくむ

著者:早津 邑子,内田 伸子
販売元:金子書房
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バイリンガル教育の方法―12歳までに親と教師ができることBookバイリンガル教育の方法―12歳までに親と教師ができること

著者:中島 和子
販売元:アルク
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異文化に育つ日本の子ども―アメリカの学校文化のなかで (中公新書)Book異文化に育つ日本の子ども―アメリカの学校文化のなかで (中公新書)

著者:梶田 正巳
販売元:中央公論社
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海外子女教育事情 (新潮選書) 著者 カニングハム 久子 販売元 新潮社 定価(税込) ¥ 918


ここまでの本を読むと、日本語も英語も中途半端な「セミリンガル」という状態がある、ということが分かってきます。やはり軸となる言語は必要なんだな、と痛感。

「バイリンガル」より「バイカルチャー」、つまり異文化への適応力が大事だということを教えてくれたのが下記の本。

バイカルチャーと日本人―英語力プラスαを探る (中公新書ラクレ)Bookバイカルチャーと日本人―英語力プラスαを探る (中公新書ラクレ)

著者:櫛田 健児
販売元:中央公論新社
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それぞれの本に参考文献が載っているので、知りたがり屋の私としては、ひたすら読み続ける状態が続きました。「早すぎる英語教育は問題。それより日本語力をつけるべき」という意見には私も賛成ですが、英語が堪能であることをそれこそ勲章のように褒めそやすのも日本人。大いなる矛盾を感じつつ、次の本を読みました。

なぜ子どもに英語なのか―バイリンガルのすすめ (NHKブックス) (単行本)
唐須 教光 (著)

レイコ@チョート校―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳 (集英社新書)Bookレイコ@チョート校―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳 (集英社新書)

著者:岡崎 玲子
販売元:集英社
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この2冊を読むと「理想ではあるけど、自分の子供もこういう風に育てたい」という気にさせてくれます。親の教育方針がぶれないこと、子供が必要とする時に助けられる存在であることが大事なんだと思いました。

私も大学時代は英米文学を専攻し、なんとなく「留学したいな」と思ったことがあります。でも家の経済状態を考えると、はっきりとした目標もなく「なんとなく」では無駄金を親に使わせることになると思い、映画会社への就職を決めたのを思い出します。今になってみれば、それが字幕翻訳家になる近道になったわけですから、人生どう転がるか分かりません。

でも、自分の子供たちは英語圏で育てたい、という気持ちが強まった読書経験でした。

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